真・恋姫†無双のSS

とりあえず、魏ルートの思いっきりネタバレ部分なので下へ





















































































































で、書いてみたのは一刀が消えた後の部分。
華琳以外の魏のキャラの一刀が消えたのを知った時の反応が見たかったのです。
そして書いてみたは良いものの……なんじゃこりゃああ!
人のを読んだらもしかしたら感動するのかもしれませんが、自分が考えて書いた文章じゃ感動なんて出来ません(笑)
そして日記のも多いですが、私の文章は三点リーダーが多すぎるorz
SSというものを初めて書きましたが、妄想するのは楽しかったので、SSを書いている人の気持ちは何となくわかりました。
が、文章力も無く、語彙が貧相、etc...のせいで大変読みづらいものになりましたとさ。
色々難しいね!
物書きさんって凄いや!


というわけで、
1、真・恋姫の魏ルートを終わっている方
2、SSに嫌悪感の無い方
は読んでも問題無いかと?
私自身は2に引っかかってますが(笑)


それでは、メインディッシュ(魏ルート)の後に、いびつなデザート(SS)を召し上がれ。








『覇王として』


…………。

…………。

あれからどれくらい経ったのだろう。
そろそろ戻らないと皆が心配するかしら。

ふと、そばに流れている川を覗きこむ。
そこには涙で顔がぐしゃぐしゃになっているただの女の子の顔が月明かりに照らされて映っていた。

「ふっ、大陸の王の顔じゃないわね」
華琳は薄く笑いながら、川の水で顔を洗った。

「私は覇王たるもの、こんな顔を見せてはいけない」
華琳はスッと立ち上がり、一度だけ一刀の消えた場所に視線をやり、すぐに前を向いた。
そこにあったのはただの女の子ではなく、数えきれないほどの戦を乗り越え、どんな困難にも打ち勝つ、王の姿だった。
「さぁ、いきましょうか」
誰に言うわけでもなく囁いて、華琳は皆の元へ向かった。



「「華琳さま!」」
春蘭と桂花が目敏く私の事を見つけ、駆け寄ってくる。
後ろには秋蘭も居るようだ。

これから起こるであろう事を考えるとまた泣きそうになるが、堪えてみせよう。
皆のために、一刀のために。

「華琳さま、一刀は一緒ではなかったのですか」
『一刀』、その名を聞くだけで胸を剣で刺されたような痛みが走る。
「一刀は……帰ったわ」
「帰ったって、洛陽にですか?」
普通はそう思うだろう。
しかし、一刀は…。
「いいえ」
「元の世界に……帰っていったわ」
一瞬、3人の時が止まったように静かになった。
「華琳さま、それはどういう…」
最初に反応したのは秋蘭だった。
「言った通りよ、北郷一刀は自分の世界に帰った。2度も言わせないで」
3人に重い現実を突きつけなければいけない。
それを受けとめる事がどれだけつらい事か、改めて思い知った。
ドサッ!
音のした方を見ると、春蘭が呆然とした表情で座り込んでいた。
「姉者!」
「か、一刀が…帰った…?もう会えない……?……そんな………うぅ…うぁ…」
「春蘭……」
春蘭は地に頭をつけ、らしからぬ姿で泣いていた。
「姉者、一刀は元居た場所へ帰れたんだ。喜んでやらねば」
「秋蘭…、それなら……何故そんな顔をしているのだ……」
「くっ、私とて一刀に多くの好意を持っていたんだ!」
「春蘭、秋蘭。我慢する必要は無いわ。気の済むまで泣きなさい」
「華琳さま……ぐっ…」
「う…うぁ……うぁあああああ!一刀!一刀!」
1人はどこまでも静かに、もう1人は天の国まで届くように大きな声で泣いていた。
「桂花も無理する必要はないのよ?」
「わ、私は!……あ、あんな変態居なくなって清々しています!」
「世話になった私達に何も言わずに行くなんて…恩知らずにもほどがあるわ!」
「本当に………何で何も言わなかったのよ…」
「桂花、いつも会うたびに文句を言えるくらい一刀の事が好きだったのでしょう?」
「そんな事は!………………………か、華琳さまぁぁ!」
桂花を抱きしめた華淋は自分の目元も熱くなっている事に気付き、俯いて歯を食いしばった。

「なんや〜?皆揃って何しとるん〜?」
声の主は他の軍の英傑達と飲んでいたはずの霞だった。
手には当然のように酒を持っている。
「こんなめでたい日に自分ら何浸っとんねんな。パーッといこうや、パーッと」
「せや、一刀探しとるんやけど、どこにおるか知らん?」
「霞、もう一刀とお酒を飲むことは出来ないわよ」
「なんでや!?私の酒が飲めないなんて一刀には言わせへんよ!」
「そうじゃなくて、一刀は元の世界に帰っていったのよ」
「………は?なんやそれ……おもろないで?」
「冗談でこんな事は言わないわ」
「だって、さっきまで普通におったやん!一緒に戦ってたやん!」
「えぇ、その戦いが終わって、役目が終わったのでしょう」
「そんな………それなら…それなら何で華琳はそんな普通にしとるんや!」
「皆が泣いてるのはそういう事やろ!何で一人だけ平気な顔していられるんや!」
「霞!」
「!?」
涙を流しながら華琳に罵声を浴びせる霞を止めたのは、秋蘭だった。
「霞、華琳さまが何も思わないわけがないだろう!一番つらいのは誰かわからないのか!」
「せやかて………、せやかて約束したんや!」
「一刀の国のお酒を飲ませてくれる言うてたんや!」
「それに一緒に旅をしようって!きっと楽しいって!」
「あいつは約束を破るようなやつやないやろ!?どんな小さな約束だって一刀は守ってくれたんや!」
「なのに………なんでや!!何でなんも言わんと帰ってしまったんや!!」
酒のせいも少なからずあるのか、霞は大声で叫び続けた。
落ち着いてしまったら悲しみで押しつぶされてしまうのではないかと恐れるように。

「…隊長が……帰った?」
食事を配っていたのか、空になった容器を持っていた凪が小さく呟いた。
華琳達とは少し離れた場所に居たが、霞の叫びは凪のところまで届いていた。
最初に聞いた時は冗談かと思ったが、地面にうずくまっている春蘭や、華琳のそばで泣いている桂花を見て、ふざけた冗談ではなく、それが事実だという事がわかった。
「そ、そんな……隊長………」
「おーい!凪ちゃーん!終わってるならこっち手伝ってほしいのー!」
「ほれ、凪、働かんかい!」
「うるさい!ちょっと静かにしてくれ!」
「い、いきなりどないしたんよ?」
「今、華琳さま達の居るところから声が聞こえてきて、隊長が元の世界に帰ったとか…」
「はぁ!?凪、耳悪くなったんやないの?」
「だって!春蘭さまや桂花さま達泣いてるように見えるし…」
「わかった!なら確認しにいくで!沙和ー!ちょっとこっちにきぃや!」
「ん〜?まだ途中なんだけど何か用なのー?」
「いいから一緒にきぃ!」
「わかったのー。そこのクソどもー!ちゃんと配っておくのー!」
「よっしゃ!それじゃあ直接華琳さまに聞いてみよか」
凪と真桜の2人は何かの間違いか冗談であることを信じて、沙和はこれから何があるのか全くわからずに華琳の元に向かった。


「華琳さま」
「あら、3人揃ってどうしたの?」
「ちょ〜っと聞きたい事があるんですけど、ええですか?」
「良いわよ」
「凪が聞いたらしいんですが、隊長が元の世界に帰ったっていうのは本当ですか?」
「えぇ、本当よ」
「……え?え?隊長帰っちゃったの?」
訳も分からず連れてこられた沙和は、いきなりの事に思考が追いつかず華琳と凪達を交互に見た。
「隊長………。か、華琳さま!何故ですか!?」
凪は華琳にすがるような目で問いかけた。
「詳しいことはわからないわ。わかるのは一刀がもうこの世界には居ないということだけよ」
華琳はその目を正面から受けとめ、事実のみを伝えた。
「隊長…可愛い部下を3人残して何しとんねん…」
「そんな……。隊長ともっともっと一緒に買い物とかお仕事とかしたかったの…。お話もいっぱいしたかったの…。いきなり居なくなるなんて…………………嫌なの!」
涙を溢れさせながら沙和が叫んだ一言で凪と真桜の2人も涙をこらえられず、周りを気にすることなく、互いが互いを慰めるように3人で抱き合いながら泣いた。
「隊長…、隊長隊長隊長たいちょう…」
普段は大人しく冷静な凪だが、今の凪の姿は今まで誰も見たことのない姿だった。


(私の役目はここからね…)
華琳は抱きしめていた桂花を優しく離し、泣いている皆の前に出た。
「皆!よく聞きなさい!」
「一刀は元の世界に帰った。これは紛れもない事実。しかし、一刀という存在がこの世界に居たという事も事実」
「今は悲しく、つらいであろう。しかし、それから逃げてはならない!一刀を忘れて楽になろうなんて考える者が居たら、私の手で首を刎ねる!」
「忘れぬよう、心に刻みなさい!一刀の顔を、声を、ぬくもりを!」
「そしてそれを強さに変えなさい!」
「その強さを持って、この大陸を平和にするのよ!」

「私たちにはまだまだやる事があるのだから、こんなところで立ち止まってはいられないの」
「この国にはあなた達の力が必要なのよ」
「さぁ、いきましょう」
そう言って、華琳は皆に向かって手を差し出した。


天に光輝く月が華琳達の行く道を明るく照らし続けていた。




以上!